編集委員会から
編集後記(第45号・2026年春号)
――「イラン症候群」のトランプはいかなる運命を辿るのであろうか
▶本号の特集タイトルを「トランプの末路」としました。国際的非難と支持率低下の中、11月の中間選挙を控えてのトランプの動向とその思想については、金子敦郎さん、橘川俊忠をさんを始め、様々な専門家の方々の論稿をお読みいただくとして、小生の目下の関心事を2つ。
▶ゴールデンウィーク最中の政府・日銀による10兆円とも言われる為替介入は、経済合理性よりも政権支持率を意識した「政治介入」の側面が強い。介入は一時的な円安抑制効果しかなく、根本原因である低金利や貿易赤字を放置することで、かえって事態を悪化させる。円安の要因を投機筋へ責任転嫁するのを止め、外貨準備を浪費せずに、痛みを伴う決断をすべきではないのか。
▶「ナフサ」などという石油化学業界関係者しか知らなかった単語が人口に膾炙するようになった。高市首相は盛んに「原油、ナフサを需要の一定割合、一定期間確保できた」と説明するが、これはあくまでもマクロ的な足し算の結果。個々の企業レベルでは、産地ごとに成分が異なるナフサを、製品に対応した種類と成分で確保できるとは限らない。石油製品をめぐる混乱は一時的なものではなく、多層化したサプライチェーンと川中構造によるものであり、中長期の視点が重要だ。
▶混沌の中では、不安に押し流されてつい「わかり易い説明」に飛び付きがちだが、そんな時にこそウソやデマに惑わされず、地についた分析と判断ができる叡智を持ちたいものである。
特集・論壇・コラム各欄の多彩で示唆に富む数々の論考を、是非ゆっくりご覧ください。(北川 徹)
季刊『現代の理論』 [vol.45]2026年春号
(デジタル45号―通刊74号<第3次『現代の理論』2004年10月創刊>)
2026年5月11日(月)発行
編集人/代表編集委員 住沢博紀/千本秀樹
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