編集委員会から
謹 告
商標法違反の「偽・現代の理論」誌について
2022年8月14日
現代の理論編集委員会
日頃のご愛読に心より感謝申し上げます。最近、読者から次のようなお問い合わせを頂きました。「発行主体は違うようですが、貴誌と同名の雑誌・現代の理論が発行されているようですが、関係があるのですか」というものでした。他にも疑問をお持ちの読者もおられるとことと思い、以下に本誌の見解を明らかに致します。
本誌は、このホームページの題号横、「現代の理論とは」欄で明らかにしていますように、1959年以来の伝統と人脈を引き継ぐものであります。何回かの休刊期間を経ながらも、現在はデジタルで季刊誌として発行されています。
しかるに、私どものデジタル化の発行後に、紙媒体によるまったく同名の『現代の理論』なる雑誌が、私どもとは関係のない「NPO現代の理論・社会フォーラム」という団体から刊行されるようになりました。
このような類似品ないし偽物が世間に出回っていけば、読者や筆者の皆様の間に誤解を生じ、ご迷惑をおかけするのではと危惧致しております。
むろん、そうした状況を打開すべく、先方の発行直前から発行停止、あるいは題号の変更を申し入れましたが、受け入れられませんでした。最大の問題は、独自に政治的・思想的な情報を発信する媒体が、(形式はWebと雑誌という違いはあっても)別々に同じ名称(題号)で出されることがおかしい、まずいという社会常識上の問題です。先方はその社会常識を理解しません。残念ながらそれを問題として直接に争う手立てがなかったので、当方は<現代の理論>を商標登録して、それを法的根拠にして裁判をせざるをえなくなりました。
詳しい裁判経緯は省略しますが、昨年8月18日に知的財産高等裁判所の判決言渡しがありました。その判決は「『現代の理論』という標章を題号に付した雑誌を発行することは、その媒体を異にするとしても、両者について同一の主体から発信又は発行されているものであると読者が認識するなどの不都合が生ずるおそれがある」と認めています。
そして「NPO現代の理論・社会フォーラム」に損害賠償を命じました。相手方は判決で示されたその時点までの金額は支払いましたが、明快な判決が出たにもかかわらず、それを無視するかのように紙媒体『現代の理論』、つまり『偽・現代の理論』の発行は続けられています。
あまつさえ、同誌の編集長である山田勝氏は、そのNPOのニュースレター(22年3月4日号)のなかで、「何か変な判決だ」という副題を付けた文章で、判決批判の見解を出しています。
私どもとしては、相手方に判決に従って『偽・現代の理論』の発行をやめるよう求め続けてまいりましたが、らちがあきません。やむなく去る8月5日に、それを求めて再び提訴いたしました。
このようなことでは、これからも読者や筆者の皆様にご迷惑をおかけすることもあるかと懸念し、ここに簡単ではありますが、当方の見解を本誌上にて表明させていただくことにいたしました。よろしくご理解ください。