現代の理論アーカイブ

現代の理論アーカイブについて

編集部

『現代の理論』アーカイブでは、第一次から第三次にいたる雑誌『現代の理論』に掲載された論文のうち、再読すべき主要論文を編集委員会が厳選して紹介いたします(最近は、この『現代の理論』DIGITALに掲載した論文も紹介しています)。また読者のみなさんのご要望にもお応えします。『現代の理論』は、発信媒体の多様化によって目先の時局論・政局に流されることのない骨太で息の長い理論や政策の発信を目指してきました。常に現実や実践への思考を内包し、理論の自立性を掲げての50年―それが雑誌『現代の理論』の歴史でした。そのような先達の営為をあらためて回顧することによって、「今だからこそ」問われなければならない現代的課題の再発見が可能となることを確信しています。

今号を編集しているときに、労働組合・連合が、それまで反対していた高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)を簡単な条件付きで容認する「政労使合意」を進める、と伝えられました。久し振りに表舞台に出ることになった連合でしたが、その中身は、それまでの組織内の確認を無視して、支持率の急落した安倍政権を支えようとするかのものでした。連合が安倍政権のありようを「忖度」して助け舟を出そうとしたのか、あるいは政権が連合の行く手を誘導したのか、自立した労働運動の営みが危機に瀕しているのではないかと危惧します。幸いに、世論の批判や組織内の組合の異議申し立てで、その目論見は頓挫したようですが、労働組合運動の立ち位置を改めて問われる事態になりました。

その事態を受けて、まず、デジタル『現代の理論』9号(2016夏)論文アーカイブを再掲して、 第三次『現代の理論』第19号(2009年春)/特集「強欲資本主義からの訣別」「社会運動としての連合再生を」前連合会長 笹森 清さんに聞く を掲載します。笹森さんは、あの東京電力の労働組合の出身でしたが、原則をきちんと主張しています。今の事態をご覧になったら、どのように評価されるでしょうか。

もうひとつは、 第三次『現代の理論』第22号(2010新春)/特集「民主政権 問われる推進力」「新政権下 重要性増す連合の役割」連合会長 古賀 伸明さんに聞く です。民主党政権ができたときに当時の古賀連合会長にインタビューしたものですが、民主党政権下でありながらも、古賀さんは「政府がしっかりしたセーフティーネットをはり、経営が苦しくても原資を出す、ということならば」という条件を明示して、政労使合意に言及しています。

連合は急速にその体質を変えつつあるのか危機感を覚えます。労働組合員だけでなく働く市民としても重大な関心を持って社会的監視が必要です。

論文アーカイブ

第三次『現代の理論』第19号(2009年春)/特集「強欲資本主義からの訣別」

「社会運動としての連合再生を」
 「組合が変わる、社会を変える」へ地域強化も急務

前連合会長 笹森 清さんに聞く

第三次『現代の理論』第22号(2010新春)/特集「民主政権 問われる推進力」

「新政権下 重要性増す連合の役割」
 政労使協議を根づかせ福祉社会を

連合会長 古賀 伸明さんに聞く

論文アーカイブ

第13号 記事一覧

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