現代の理論アーカイブ
現代の理論アーカイブについて
編集部
『現代の理論』アーカイブでは、第一次から第三次にいたる雑誌『現代の理論』に掲載された論文のうち、再読すべき主要論文を編集委員会が厳選して紹介いたします。また読者のみなさんのご要望にもお応えします。『現代の理論』は、発信媒体の多様化によって目先の時局論・政局に流されることのない骨太で息の長い理論や政策の発信を目指してきました。常に現実や実践への思考を内包し、理論の自立性を掲げての50年―それが雑誌『現代の理論』の歴史でした。そのような先達の営為をあらためて回顧することによって、「今だからこそ」問われなければならない現代的課題の再発見が可能となることを確信しています。
戦後70年を経た日本で多くの人たちは将来への不安、日本はどこに行くのかと真剣に憂いています。憲法へのクーデターともいうべき安倍自民党・公明党による昨年の戦争法の強行突破をへて、安倍は見果てぬ夢であった憲法改正を政治日程に上らせています。安倍のめざす“日本を取り戻す”は戦前、列強の一翼を占めた日本を取り戻そう、に他ならず、軍事力を背景に世界で振る舞える日本の復活を目論んでいるのです。
“アベ政治を許さない”は多くの人たちの叫びでもあります。アベは今夏の参院選を衆参のダブル選挙にすることも企み、憲法改正への土俵づくりを目論んでいます。「絶対的権力は絶対に腐敗する」の格言もあります。世界の歴史で、権力―国家権力を監視しチェックし批判する役割がメディアに課せられた使命であることは誰しも認めるところです。しかし日本の新聞やテレビの現実はどうか? これまた暗澹たる気持ちになる現実があります。権力監視・批判を忘れ、政府に迎合し、ポチに止まらず、先兵にすらなっているのか読売や産経、NHKとの批判も強いです。一方インターネットなど多様な情報発信源が増えたとはいえ新聞・テレビの社会的影響力は圧倒的に大きいですし、戦前の例を振り返れば、メディアは戦争の道へ旗をふる危険な存在にもなります。
新聞やテレビの現実、現場で何が起こっているのか。何が問題か、読者や視聴者はいかに考え関わるべきか、今後の本誌の重要テーマでもあります。第三次『現代の理論』12号(2007年夏号)で「メディアと権力」の特集を組みました。本号アーカイブでは、その中より原寿雄さんの「”ジャーナリズム“対””権力“」と金子敦郎さんの「危機に立つジャーナリズム」を収録します。お二人とも共同通信で中心的役割を担った方です。今ならメディアの現状について一層厳しい問題提起をされることでしょう。
論文アーカイブ
第三次『現代の理論』第12号(2007年夏)/特集「メディアと権力」
「”ジャーナリズム“対”権力“」ジャーナリスト・原 寿雄
第三次『現代の理論』第12号(2007年夏)/特集「メディアと権力」
「危機に立つジャーナリズム」ジャーナリスト・金子 敦郎
論文アーカイブ
- ”ジャーナリズム“対”権力“ジャーナリスト/原 寿雄
- 危機に立つジャーナリズムジャーナリスト/金子 敦郎